さて、ライブが終了した後、ホールのロビーではCDの販売が行われていました。売り場には、マネージャーさん(女性)と40歳ぐらいのお手伝いのような男性の2人が立っていました。お客さんがCDの曲目を見ながら「○○ってどんな曲だっけ?」と訊くと、その男性は次から次へと唄っていました。ほとんどの曲を覚えているようで「何でもリクエストして下さい。何でも唄います」と笑いながら話していました。

横から私が「しょうよう歌!」(『飛行船』のデビュー曲)と言うと、その男性は即座に唄ってくれました。おお!と思った私は調子に乗って「ブラック・コーヒー!」と言うと、またもスラスラと唄い出し、「これ、俺がリードボーカルだったんだ」と笑いながら一言。思わず絶句する私…。

「え、も、も、も、もしかして…???」動揺する私にその男性はセカンドバッグから名刺を取り出し差し出してくれました。震えながら手にしたその名刺には「小野寺 進」と書いてありました!

そうです、飛行船のキーボードだった小野寺さんその人でした。20年ぐらい前の 写真でしか見たことがなかった小野寺さんにまさかお会いできるとは…。本当に驚き、そして感激しました。

しかし、小野寺さん本人に「この曲知ってますか?」と言わんばかりにリクエストした自分…。小野寺さんもまさか自分が唄った曲のタイトルを言われるとは思ってもみなかったようで「いやぁ、その(ブラック・コーヒーという)言葉、嬉しかったぁ」と喜んで下さったみたいでしたが…。

話の途中「火を持ってない?さっき楽屋でマッチをあんべにやっちゃって…」と言われ、笑ってしまいました。


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